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和歌山アドベンチャーワールドのパンダが全員中国へ帰る理由をやさしく解説

雑学
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「えっ、あのパンダ一家がいなくなるの!?」――2025年4月の発表は多くのファンをびっくりさせました。和歌山・白浜町のアドベンチャーワールドで長年くらしてきたメスのパンダ4頭(良浜・結浜・彩浜・楓浜)は、2025年6月28日にそろって中国へ帰ります。本記事では、なぜ4頭まとめて帰ることになったのか、契約の決まりごとからパンダを守る取り組み、そして地元への影響まで、わかりやすい言葉でたっぷり解説します。これを読めばニュースではわかりにくい “パンダ帰国” の全体像がつかめます。

 アドベンチャーワールドとパンダの歩み

アドベンチャーワールドがはじめてパンダを迎えたのは1994年。中国の協会といっしょに行う保護プロジェクトとして、オスの永明とメスの梅梅がやって来ました。その後、2000年に日本で初めてパンダの赤ちゃんが生まれ、それが今も人気者の良浜です。ここで生まれたパンダは16頭にのぼり、白浜は “日本一パンダが増えた場所” と言われるようになりました。

 

返還決定までのながれ

  • 2025年4月24日:パークが4頭同時に帰国すると発表
  • 5月26日〜:出発前の健康チェックと隔離がスタート
  • 6月27日:園内で “いってらっしゃいセレモニー” を開催。ファンが最後のあいさつ
  • 6月28日:特別な輸送箱に入り、関西空港から中国・成都へ
  • 2025年8月:もともとのレンタル契約が終わる日

ポイント: 真夏の高温をさけるため、本来の契約終了より2か月早く出発します。

 

中国との “レンタル契約” とは?

持ち主はずっと中国

1984年、中国はパンダをプレゼントではなくレンタルの形で各国に貸す方針に変えました。期間はだいたい10年。生まれた赤ちゃんもふくめ、パンダの持ち主は中国のままという決まりです。

期間が終わればかならず帰国

レンタル期間が終わると、再契約がなければ必ず中国へ帰るのが世界のルール。最近アメリカやイギリスでも同じ理由でパンダが帰国しています。

 

なぜ4歳の子パンダまで帰るの?

パンダは3〜4歳になると子どもを産める年ごろになります。血のつながりがかたよらないようにするため、中国の大きなセンターでほかのパンダとペアを組む計画に早めに入る必要があります。若いうちに移動したほうが体へのストレスも少ないので、世界中でこの年齢での帰国が決まりになっています。

 

パンダを守るためのしくみと世界の動き

  1. 血統のバランス:世界にいる約700頭の飼育パンダの情報をまとめて管理し、近い親せき同士がペアにならないようにします。
  2. 病気をひろげない:出発前と到着後にしっかり検査し、国ごとの病気を持ちこまないようにします。
  3. 研究のシェア:えさや病気の治療法などのデータを、中国と各国がいっしょにまとめて公開します。

 

ほかの国・ほかの動物園の例

場所 帰国した数 おもな理由
2023 アメリカ・ワシントンD.C. 3頭 契約終了と暑さの問題
2023 日本・上野動物園 1頭(シャンシャン) 契約終了
2024 イギリス・エディンバラ 2頭 契約終了、交渉まとまらず
2025 日本・アドベンチャーワールド 4頭 契約終了(今回)

白浜町・和歌山観光への影響

  • 年間150万人が訪れるアドベンチャーワールド。その約3割がパンダ目当てだと言われます。パンダがいなくなると、ホテルや列車・バスを使う人が減り、地元のお店への影響も大きいと見られています。
  • 園内のグッズ売り場では、パンダ商品が売り上げの約4割をしめています。観光全体では60億円以上の経済効果があると県は試算。そこで町や商工会は、海の幸イベントやイルカなどほかの動物のショー、さらにはバーチャルで楽しめるサファリ体験など、”ポスト・パンダ” 企画を急ピッチで進めています。また、”さよならパンダフェア” を開き、リピーターを呼びこむ作戦も動き出しました。

 

アドベンチャーワールドのこれから

園は中国と新しいレンタル交渉を続けつつ、イルカライブやサファリツアーをもっとおもしろくすると発表。さらに “パンダ帰国記念展” をオンラインでも配信し、帰国後もファンとストーリーを共有する計画です。

 

よくある質問Q&A

Q1:もう日本でパンダは見られなくなる? → 上野動物園の双子、シャオシャオ&レイレイが2026年2月までは日本にいます。さらに新しいペアが来る可能性もあります。

Q2:日本がパンダを “買い取る” ことはできないの? → ワシントン条約と中国の法律で売買はできません。保護のためのレンタルだけOKです。

Q3:また白浜でパンダを見られる? → 今回の研究成果が高く評価されれば、数年後に新しいパンダが来るかもしれません。早くても2026年以降と言われています。

 

まとめ

  • 契約が終わったら帰国がパンダ保護の大原則。
  • 4歳ごろの子パンダも、血統を守るため中国に戻るルール。
  • 帰国は政治のトラブルではなく、パンダを守るための定期便。
  • 白浜町は “パンダがいない時期” にそなえて、いろいろな観光アイデアを準備中。

4頭のパンダは中国で新しい家族をふやす大切な役目を担います。次に日本にパンダが来る日を楽しみに待ちましょう!

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